ダンシング・ヒーロー

ダンシング・ヒーロー（原題はStrictly Ballroom)　１９９２年　オーストラリア
監督：バズ・ラーマン　出演：ポール・マーキュリオ、タラ・モーリス他　

僕が現在（２００４年７月）住んでいる家の最寄り駅は三つある。
「下北沢」と「東北沢」、そして「池ノ上」だ。
知名度が一番高いので「どこ住んでるの？」と聞かれたら下北と答える。
が、実際は三つの駅のどれにも徒歩５分で行ける。

特に池ノ上は小学校がそこにあったので、昔からの馴染みの街だ。
その駅のすぐ近くにとあるレンタル・ビデオ屋があった。
「あった」ということは、既につぶれてしまったという意味だ。
とてもいい品揃えの店だったので、今でもなくなったのが残念だ。

その店でこの映画に出会った。

当時の僕はややこしいのや重苦しい映画に飽いていて、
「シンプルで楽しい」を求めていた。
そんな時に表向きに置かれたこのビデオのジャケット（＊注１）と、
店員が書いたと思しき「かっこいい！」というストレートなポップが、
僕の目を奪ったのだった。

この映画はシンプルで、楽しく、（ダサ）かっこよく、
付け加えるなら何だかよく分からず燃えてくるのだ。

まずストーリーがシンプル。
社交ダンス大会でのお決まりのステップに満足できない主人公が、
素敵なパートナーと共に新しいスタイルでダンス大会に挑戦…。
分かりやすい！

全編通して楽しい。
熱血あり、ラブコメあり、予想通りの設定あり…。

かっこいい。
公開当時（９２年）はどうだったのか知らないが、
現在僕が見て微妙な野暮ったさが漂っている。
にも関わらず、とにかく何だかカッコいい。
主人公もヒロインも脇役も、泥臭い魅力があふれているのだ。

（おそらく）テーマ曲の「Time after time」がまたかっこいい。
曲自体は昔から知っていたけど、この映画見た後に、
思わず友達からシンディ・ローパー借りました（←買えよ）。（＊注２）

そして極めつけはアツイ。
すんごく単純なストーリー展開ゆえに逆に燃えてくる。
クライマックスなんか「こうなれ！」という思いに、
ガッチリ応えてくれるこのアツさ。

レンタル・ビデオ屋さんで、置いてある店には置いてあります（←当たり前）。
「とにかく楽しくてスッキリするやつ」をお望みならば是非！

ＤＶＤで出ていないのが残念で仕方ない。
もしあったら何度でも見るのに…。

おわり

＊注１…確か上に載せた写真がビデオ・ジャケットだった気がする…。（記憶が定かではないので違うかも）
＊注２…映画で使われているのは、多分シンディ・ローパーがそのまま歌っているバージョンではないと思う。

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