「アナタハ　カミヲ　シンジマスカ？」
ってな感じに聖書を持って話しかけてくる宣教師が、昔のマンガの中にいた。
（いや、今も現実にいるのだろうけど、僕は見たことない。）
道行く人は突然この質問をされてどう答えるだろう。
僕なら答えは簡単「うん、信じてます」だ。

僕は普通はみんな（神を）信じているものだ、と思って育ったので、
神を信じない人が多数派である現実に気づいた時に軽い驚きを覚えた。
というか未だに実感がわかない。
「え？じゃあ神様いないの？」と逆に聞いてしまいそうだ。

それはさておき、僕は「うん、信じてます」とは答えるけれど、
じゃあその「信じている」ってのは、どういうことだろう？
そんなことを考えていた時に聖書を読んで書き留めたメモが、
冒頭の二行だ。

まず、エレミヤ書２３章２３〜２４節を見てみる。こう書いてある。


わたしは近くにいれば、神なのか。
――主の御告げ。――
遠くにいれば、神ではないのか。
人が隠れたところに身を隠したら、
わたしは彼を見ることができないのか。
――主の御告げ。――
天にも地にも、わたしは満ちているではないか。
――主の御告げ。――


「神は人が信じることによって存在できる」
と考えている人も結構多いんじゃないだろうか？
もっと乱暴な言い方をするとこうなる（↓）。
「神は人の想像するもので、その想像の中でだけ存在する」

聖書はそうではないと言う。
聖書の神は、「人間に想像された神」ではなくて、
「人間を創造した神」だと書いてある。

にも関わらずクリスチャンも実は無意識のうちに、
神を「想像の神」にしてしまうことがあるんじゃなかろうか。

例えばボブ君（仮名）が神様にお祈りをした。
ボブ君が祈ってる最中は確かに神様を意識するけど、
祈り終わった後はどうだろう？
ボブ君は「アーメン」と言った瞬間から、もう神様のことは意識しない。
まるで自分が話している時（祈っている時）以外は神様はいないかのように。
祈ってない時は神様の悪口だって平気で言えるかもしれない。

まるで、職員室で先生と話す時は礼儀正しくするけど、
職員室を出た瞬間から「あいつ（＝先生）ウザイよね〜」と
言い始めるような感じだ。先生は聞いてないもんね。

このエレミヤ書は、それじゃまずいよ、ということを教えてくれる。
人はよく、「人がいなければ悪いことしてもいい」と考える、
だけど人はいなくても神はいる、ということがここに書いてある。
近くにいる（と僕らが思う）時も、遠くにいる（と思う）時も、
神は神としてそこにいるのだ。

次に使徒の働き１４章１５節を見てみよう。こう書いてある。


…みなさん。どうしてこんなことをするのですか。
私たちも皆さんと同じ人間です。そして、あなたがたが
このようなむなしいことを捨てて、天と地と海と
その中にあるすべてのものをお造りになった生ける神に
立ち返るように、福音を宣べ伝えている者たちです。…


パウロというクリスチャンが外国の街で聖書の神を説明している言葉の一部だ。

「生ける神」という表現があるけど、これは聖書の中で度々出てくる。
生ける神というのは文字通り、生きている神ということだ。
「あ、そう」と言われそうだが、すごく大事だと思う。

例えばボブ君（仮名）と僕が話をした。
その後、二人は分かれてそれぞれの家に帰っていく。
ボブ君は家に帰って夕食を食べている時には、
僕のことは考えていない。
でもボブ君が考えていない時にも、僕は僕で生きている。

同じように、ボブ君が神について考えている時も、
考えていない時も、神は生きている。
そういうこと。

書いてあるとおり、想像された神でなく、
天地海と全てを創造した神は生きている。
つまりそういうことだ。

僕の言う「神を信じている」というのは、
信じている時だけいる神ではなく、
僕が信じる信じないは関係なく、
生きている神を信じている、ということなのだ。

まとめてみよう。

１．神は「想像された神」でなく、「創造した神」。
２．神は僕が近いとか遠いとか感じるのとは関係なく近くにいる。
３．神は僕が信じようが信じまいが生きている。
４．「アナタハ　カミヲ　シンジマスカ？」と聞かれたなら、
僕はつまりそういう風に信じている。

おわり



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