この帽子ドイツんだ(前編)



<前置き>

タイトルに突っ込みは入れないでください。若気の至りというか、思い余ってと言うか。

この日記は2003年の7月に、IFESというクリスチャン学生運動の、
世界会議(World Assembly、以下WA)に参加しにオランダに行った時の記録です。
前編は「会議前に一人でフラフラ観光した様子」
後編は「WAの様子」
をお送りいたします。

僕は旅行に行くと基本的に旅日記をつけます。
ただ人に見せるつもりで書いてないので、このページに載せても仕方ない部分も多々あります。
要らない部分や、独り言はガンガン削ってあります。

<オランダを観光する>


6月30日(月)晴れ、暑い

朝6:30に起床。7:40位に家を出る。
この時点で僕はなぜか成田まで1時間で着くと思い込んでいる。
昨日から痛い喉は今日もやはり痛い。
京成に乗る辺りで「ひょっとして間に合わない?」と思い始めるが、
慌ててもどうにもならないので、ヘンリ・ナーウェンの「放蕩息子の帰還」を読んで、
グッときながら成田へ。

9:50着。カウンターへ走る。
10:00カウンター着。
「もうクローズ(搭乗口閉じた)ですね〜」と手でバッテンをつくりながら荷物検査のお姉さんに言われる。
何となく覚悟していたので、哀しいくらい無感動に「あ、そうすか」と言う。(*1)
カウンターのおじさんが親切に手続きをしてくれたので、明日の同便にペナルティなしで乗れる。感謝。

帰りの電車は、帰国した人の間に成田日帰りの僕が切なく座る。
父母は(あんまり)責める事もなく迎えてくれた。(確か笑顔で「ば〜か」と言われた記憶がある)
デスクトップパソコンが壊れていたので直してくれと言われる。
喉いたい。

*1:ホント、こういうことにだんだん慣れてきている自分が怖いです。

7月1日(火)晴れ、日本は暑い

今度は無事乗れた。でも喉痛いし、頭ボーっとするし、完全に風邪だこりゃ。
またしても教会のマリモ(という女性がいる)に移された気がする…。
飛行機は空き空きなので横になって寝る。かなり良くなった。
思えば昨日飛行機に乗れなかったのは、主の御心であったのだ。

ただ惜しむらくはこの飛行機に何と映画(個人画面)がない!
こんなことになるならもっと本を持ってくるべきだったが、
仕方ないので持っているものを読みつくす。
ナーウェンの「放蕩息子」は結構いい!

*この後、かなり細かい部分に渡る感想が書いてあるのでカット。

オランダの空港に着く。
空港は思っていたより人が少なくて静かだ。
チケットを買って電車でアムステルダム・セントラル・ステーションへ。
外に出ると早速雨が降っている。
この後もずっとそうだったが、聞いてた通りよく雨が降りすぐに止んだりする。
みんな傘なしで平気な顔で歩いている。
交通局の建物が移動していたが、とにかくそこに行って三日間のトラムのパスを買う。
トラムと言うのは街を走る路面電車のこと。
ホテルの場所を教えてもらって、トラムに乗ってホテルへ。
ちなみに英語が通じる。みんな流暢に話す。

ホテル・ベルフォートは外見は少しボロめだが、中は割りと充実しており、
シングルにも関わらず二人部屋に泊まった。
別にゴージャスじゃないけど、小ぎれいだし、トイレ・シャワーつきで申し分ない。


<ホテルの部屋>


夕食をとるために外出。ホテルの裏に広がる公園を抜けた。
道に迷ってウロウロ歩いたらホテルの前に戻って来てた。間抜け。
そこで面白い看板を見つけた。(*2)


<阿部工房の「砂の女」の演劇の看板、口から吐いてるのはもちろん砂>


少しトラムに乗ってライツェ広場へ、
疲れているけど、どこで食べるべきか決めかねてダラダラ歩く。
結局歩き疲れたので、スーパーみたいな所でお菓子とSpa(水)を買って、
軽いサンドウィッチみたいなのを食べてホテルに帰る。
円安もあるけど、高い!高い!お金がすぐなくなっちまう。

*2:阿部工房は日本ではもちろんだが、むしろ海外での評価が高いと聞いていたがホントだった。
少しうれしかった。阿部工房は有名な人なので、知らない人はネット使うかなんかして調べてください。(不親切)
箱男の看板とかあったらぜひ見てみたい…。

7月2日(水)雨とか晴れとか、全体的には晴れ

朝は寒いけど日中は長袖だと暑い時もしばしば。
ガイドブックで調べて、朝9時からやってるアンネ・フランクの家にまず行く。
いきなりショックを受けた。
何というか、オランダってどんな国か、何を見るのか、とか何も考えずに来たので、こういう展示を最初に見てよかった。
「ユダヤ人」「大戦」はこの国に大きな影響あるものであると分かった。
(アンネの)本をちゃんと読んでおけばよかった、と少し思いながらドキドキして外に出た。
隣が(プロテスタントの)西教会であるのも何となく皮肉な感じ。


<アンネの家:隠し扉(左)、窓から見える西教会、当時も同じように見えただろう(右)>

その西教会の塔に登ろうと思うが、まだ空いていないので、とりあえず聖書博物館へ。
予想以上にいい!
特に幕屋(*3)のモデル展示を見つけた時は思わず小躍りしてしまった。


<聖書博物館:幕屋のモデル(左)、青銅製の「海」のモデル(右)>


ガイドブックにちょろっとしか書いてないし、実際日本人には退屈な展示だろうけど、
僕にとっては超ヒットだった。(日干しレンガ(*4)や「海」のモデル(*5)もあった)

意気揚々と西教会の塔へ。時間ぴったりで塔に登るツアーに参加。
少し寒かったので頭痛くなったけど、町全体が展望できた。


<街の風景(教会の塔から)>


降りると、さっきまで晴れてたのに、いきなり豪雨。
礼拝堂を見ながら少し待つと、またすぐ晴れた。
関係ないが、観光地になってる教会の信徒さんってどんな気持ちなんだろう…。

今度は考古学博物館に向かう。
途中で町のクリスチャンブックストアを見つける。
三軒隣にはコーヒーショップ(合法麻薬のお店)。地味に笑った。


<クリスチャンショップ(左端)&コーヒーショップ(右端)>


で、また歩いてたら迷った。大人しくトラムに乗ればいいんだろうけど。つい。

迷いきったら、なぜか「のみの市」やレンブラントの家に来ていた。
どちらもそんなに興味がわかなかったので、ユダヤ博物館に行った。
展示品はすごくはなかったが、文章(やたら多い)がよさげだったのでパンフを買った。


<ユダヤ博物館:トーラー(旧約聖書の一部)のスクロール(巻物)>


すぐ道の向こうが現役のシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)だが、さすがに門は閉ざされていた。
なぜか疲れているのにまた徒歩で帰った。(考古博物館にも寄ったけど特記なし)

体調はかなり良くなってきた。
*3:幕屋というのは旧約聖書に出てくる移動可能神殿みたいなものです。
*4:日光で干したレンガ(まんま)。僕の卒論に少し関係あったが、生で見たことなかったのでうれしかった。(中国で見たことあるけど、イスラエルのとは少し違う)
*5:旧約聖書に出てくる祭具の一つ。

7月3日(木)ホテル出たとき豪雨、その後晴れ時々小雨

一人旅最後の日。笑顔の素敵なアジア系のフロントのお姉さんに見送られてホテルをチェックアウト。
まずトラムに乗って国立博物館へ。乗り間違えたかと思って泣きそうになるが、随分回り道をして目的地に着いてくれた。
所々展示していない所とかあってインチキくさい感じはしたけど、絵はやっぱりよかった。
特にレンブラントのペテロが「イエスなんて知らないよ」と言うその瞬間をとらえた絵は、ちょっともうすごいよかった。
ちなみに一つすんげえ面白い絵があった。これ。


<イエスの復活の様子(作者・作品名メモり損ねた、すまぬ)>


何しろ表情がいい! この兵士たちのやる気なさ! (復活の場面に関して参考:しっかり拝めよ)


<やる気ね〜(左)→なんか笑ってる〜(右)>

次にゴッホ館に向かうが、入り口に長蛇の列ができてたのでやめた。
そんで隣の市立近代美術館へ。ん〜(←感想)。

予想より時間余ったが空港へ向かう。
バーガーキングで軽く食べて、時間になったとこで飛行機の到着ゲートに行った。
IFESのお兄さんがいたので声をかけたら、集合場所を教えてくれて色々連絡してくれた。
ホストファミリーの所へは1時間電車に乗って行けという。
むむ、送ってくんないの?自力で行くのはメンドイぜ、と思ったが仕方なし。

列車がちょっと郊外に出ると、いきなり馬とか羊とかがウロウロ放牧されてる。
45分程で目的地のアムスフォートに到着。
スタッフが別れ際に早口で指示を言っていたが、何しろ発車時刻ギリギリだったので、よく聞けなかった。
ホームについて「さてどうしよう…」と途方に暮れたが、どうしようもないのでメモに従って電話をしようと思い立つ。
が、メモの字(数字)が読めない…。なんか慌てて書いてたもんな、あの兄さん。
まあ頑張ってかけてみよう、と四苦八苦している所に、ホストファミリーのシュプラング夫人が横から声をかけてくる。
助かった。

家に向かうのだが、どうやら自転車で行くという。(オランダは自転車がすんごい一般的に使われてる)
自転車置き場に行くが、う〜ん、荷物が大きすぎて載せられないですよ。
ということで「歩きましょう」とシュプラングさんが言うので、僕が「いや待って」と荷物を背負うことにした(キャリーバック)。

よし乗ろう!
ん…。
サドルが高すぎてまたげない…。(こーん)

夫人の(僕より少し背が低い)の自転車に代えてもらうが、それでもまたげない…。
なんでじゃー!

結局、二人で自転車を押しながら歩いていった。
着いた。

それっぽい路地にはいる。


<裏の路地>


全部同じ風景である。かっこいい。

その内の一つ(見分けがつかない)がシュプラング家であるということで中に入る。
まず倉庫があって(後で分かったがこれは裏口)、少し庭があって家がある。


<上から見るとこう→正面玄関>


中には子供たち。娘さんとお兄さんと他二人の男の子。
仲睦まじくボードゲームをしていた。

普段は長男の部屋だという部屋を貸してもらう。恐縮です。
「これから料理するから」と奥さんが言うが、下に降りても子供たちにプレッシャーをかけちゃいそうだから、
部屋で日記を書く。

夕食。下に降りると、おっちゃんが一人来ていた。
父ちゃんが帰ってきたのかと思ったが、教会の人らしい。
雰囲気的に地域のリーダーみたいな感じで、家庭訪問みたいなものだったのだと思う。
なかなかいい感じの(でも顔が怖い)人だった。
食事はスープとポテトと肉と野菜。普通の家庭料理。すげーうまかった。
とても温かい(雰囲気も)食事だった。
兄弟もそろっていて一緒に食べた(男の子二人&女の子二人、みな10代)。
下の妹と弟は僕の両隣で配膳とかしてくれた。いい子達。


<食卓@カメラにやや緊張中>


食後、夫人が聖書(をまとめたビジュアルブックみたいの)を持ってきてみんなに読み聞かせてた。
アブラム&ハガイ&サラ(創世記16章)のところ。長い箇所だったので、弟君が途中で「もーいーよー」って言ってた。
ほほえましかった。

食後はお父さんも帰ってきて、お父さん&教会のおっちゃんとしばらく話した。
日本の宗教事情とか話したけど、英語で話すのは大変で、そっちに労力使うから、
内容の質がどうしても落ちてしまう。おっちゃんは(そしてオランダ人の多くは)とても英語がうまかった。

夫人はおそらく話がつまらなかったのだろう、しばらくして「ゲームをやろう」と言い出したので、
大人4人で七並べの発達したようなゲームをすることにした。
僕はこういうの大好きな人なのでめちゃめちゃ楽しんだ。
最後のほうでは子供たちも帰ってきてワイワイガヤガヤだった。
ちなみに僕が勝った。

十分楽しんだ後、やっと日も暮れたので(といっても10:30でまだ薄暗いくらいだった)、
シャワー浴びて寝ることにする。
激しい眠気と戦いながらデボーションをする。
どうも風邪はほぼ完治したらしい。感謝だ。

7月4日(金)曇り時々雨、風強く寒い。

今日から真の目的のワールドアッセンブリーだ。
観光もそれなりに満喫したし、オランダの家族も体験したし、スーパー満足だ。

朝ごはんを食べて少し辺りを散歩した。
家に戻って、長男君がパソコンでゲームしてるのをボッーと見ながら時間を過ごす。
その後あいさつして家を後にして、合流場所に送ってもらう。
とても風が強かった。
あ、別れ際に日本から持ってきた、飴玉の袋を二つお礼に渡してきた。
いかにも日本チックな黒糖飴と梅飴。
好きかどうか知らないがエスニックな雰囲気にひたってください。

駅裏のターミナルに着くが、合流場所だというのにそれらしい人の姿はなし。
ウロウロしてると、背の高いオランダ人がIFESの紙を持ってあらわれた。
一緒にやってきたエジプト人の兄さん達としばらくしゃべるが、外は寒く歯が噛み合わない程。
40分も待つと何人か集まってきてバスも到着。
送ってくれた夫人とお別れのあいさつをして、バスに乗る。

文字通り「世界から集まってきました」という面々の中、後ろの方に乗り込むと、
ホンジュラスとコロンビアの人が来た。
その後もどんどん南米系の人が詰め将棋のように僕の周りをつめていく。
挨拶した後は猛烈に眠くなってきた。
周りはガヤガヤしてるけど、どうにも眠気がたまらない。
起きた頃にはワールドアッセンブリーの会場だろう、と思いながら眠りに落ちていった。

「前編(観光編)完」


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